【初心者向け】看護師資格の種類と取得方法を詳しく解説

看護師 資格
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2024.11.13更新

看護師になりたいけど、具体的にどのように資格を取得するのかわからない人は多いです。

看護師の資格は基本的に2種類あります。看護師の特定看護資格として保健師や助産師があり、それぞれ取得方法や役割が異なります。この記事では、看護師資格の取得方法、キャリアパスについて詳しく解説します。

記事を読めば、看護師や准看護師、保健師や助産師の資格の違いを理解することが可能です。看護師の国家試験や上級資格、取得する際の費用についても解説するので参考にしてください。

この記事の目次

看護師資格

看護師の資格は2種類あり、それぞれ異なる役割や専門性があります。主な看護師の資格は、以下のとおりです。

  • 看護師
  • 准看護師

看護師

看護師の役割は、医療チームの一員として、病気の予防や治療、リハビリテーションの支援などを行うことです。病状の観察や医師の指示にもとづく治療の実施、患者と家族への健康指導を行います。看護師は医薬品の管理や投与も行い、患者の安全と治療の効果の確保や、生活の質向上にも貢献します。

看護師は他職種と連携する必要があるため、コミュニケーション能力や協調性が必要です。
»看護師の種類と役割を詳しく解説

准看護師

准看護師は、医師や看護師の指示のもとで業務を遂行し、患者のケアや治療のサポートを行います。看護師と同様に患者の状態観察や基本的な医療処置を行いますが、准看護師の業務範囲には一部制限があります。主な業務内容は以下のとおりです。

  • バイタルサインの測定
  • 薬剤の投与
  • 点滴や注射の準備
  • 日常生活の援助

病院やクリニックでは、准看護師が患者の状態を継続的に観察します。異常があれば速やかに医師や看護師に報告し、迅速な対応で患者の状態悪化を未然に防ぎます。

保健師や助産師などの特定看護資格

保健師や助産師は、看護師資格をベースに取得できる特定の資格で、それぞれ異なる役割と業務を持ちます。それぞれの特徴と役割について説明します。

保健師

保健師の役割は地域全体の健康増進です。看護師と異なり、個々の患者に対するケアだけでなく、地域全体の健康課題への対応と保健活動の計画・実施を行います。主な業務は以下のとおりです。

  • 健康診断
  • 予防接種の実施
  • 健康相談
  • 地域住民への健康教育
  • 感染症予防活動など

保健所や学校、企業で健康管理や衛生指導を行い、地域社会の健康リスクを低減します。地域全体の健康状態を向上させるための指導的な役割です。地域で流行する感染症の予防活動を行う際、保健師は住民に対して適切な情報提供を行い、感染予防の啓発を行います。

学校保健師として子どもたちの健康診断を行い、保護者に対してアドバイスもします。

助産師

助産師の役割は、母子の健康を支援する重要な専門職です。出産前後に必要なケアを提供し、安心して出産に臨める環境を整える役割を担います。助産師は病院や助産院、在宅出産の現場など、多様な場所で活動することが可能です。それぞれの場所で妊婦や家族に対して最適なサポートを行い、母子の健康維持に貢献します。
» 助産師になるためのステップと、助産師の役割について解説

看護師資格の取得方法

看護師になるには、専門の教育機関での教育と国家試験の合格が必要です。資格の種類ごとに取得方法が異なります。それぞれの資格の取得方法について、詳しく解説します。

看護師

看護師の資格を取得するには、看護専門学校や大学の看護学部での教育と実習が必要です。看護師の資格の取得方法は、以下のとおりです。

  • 看護専門学校や大学の看護学部に入学する
  • 基本的な看護技術や、幅広い医学知識を学ぶ
  • 臨床実習を通じて、看護技術とコミュニケーションスキルを磨く
  • 教育課程を修了し、国家試験を受験する

国家試験に合格することで、看護資格が取得できます。

准看護師

准看護師は、正看護師に比べて短期間で資格を取得可能です。 准看護師の養成教育は2年間で、専門学校や病院が運営する養成所で必要な医療知識と技術を学びます。准看護師は、日本国内でのみ認められている資格です。看護師の資格取得が、准看護師のキャリアパスの一歩となります。

准看護師は、都道府県知事が認定する資格です。看護師と異なり国家資格ではありませんが、一定の医療行為を行うことができます。

保健師や助産師などの特定看護資格の取得方法

キャリアパス

保健師と看護師の資格取得方法について説明します。

保健師

保健師になるには、看護師資格を取得しておく必要があります。保健師の資格を取得する方法には、2パターンあります。1つ目は、大学に進学して看護師免許取得した後に、保健師免許を取得する方法です。4年制の大学に入学し、卒業と同時に2つの資格取得を目指します。

2つ目は、専門学校で看護師免許を取得してから、1年制の保健師養成学校へ入学する方法です。看護師の教育過程を修了する際に、保健師の魅力を感じ、大学へ編入する人は少なくありません。看護師として働いたのち、保健師の資格取得を目指す人もいます。

助産師

助産師になるには、看護師の資格を取得した後、助産師養成課程の修了が必要です。助産師養成課程では、産科や新生児ケア、母乳育児支援などの専門的な知識と技術を学びます。臨床実習では実際の出産に立ち会い、助産業務を体験します。卒業後、国家試験に合格すると助産師資格が取得可能です。
» 助産師になるための方法や働き方、向いている人の特徴を紹介!

看護師国家試験の概要

看護師国家試験は、日本で看護師として働くために必須の試験です。試験は年に1回実施され、看護師として必要な知識や技術がどれだけ身に付いているかを測定します。看護師国家試験の概要について解説します。

試験科目

看護師国家試験の科目は、以下のとおりです。

  • 基礎看護学
  • 成人看護学
  • 小児看護学
  • 母性看護学
  • 精神看護学
  • 在宅看護学
  • 総合問題

看護師として必要な基本的な知識及び技術を網羅しています。試験はマークシート方式です。総合問題では、さまざまな状況を想定した包括的なケアに関する問題が出題されます。

合格基準

試験全体で60%以上の得点を取ることが、合格の最低ラインです。合格基準は年度によって変動する可能性があるため、受験する年の試験情報をしっかりと確認しましょう。試験委員会が定めた基準によって合否が決定します。科目ごとに異なる合格基準が設けられているので、各科目別の対策も必要です。

難易度

看護師国家試験の合格率は約80~90%です。試験範囲が広く、医療知識や技術に関する深い理解が求められるため、充分な学習と練習が必要になります。
»助産師国家試験の基礎知識

看護師の上級資格

看護師のキャリアを高めるために、上級資格の取得を検討するのも選択肢の1つです。看護の質を向上させるために必要な高度な専門知識と技術を身に付けられます。看護師が取得できる主な上級資格は、以下のとおりです。

  • 認定看護師
  • 専門看護師
  • 認定看護管理者

認定看護師

認定看護師は、看護師の中でも専門的な知識と技術があることが認められた資格です。認定看護師は、特定の分野で高度なケアを提供します。認定看護師になるには、日本看護協会による認定が必要です。5年以上の臨床経験を有し、専門的な研修プログラムを修了後、試験に合格しなくてはいけません。

5年ごとに更新が必要なため、常に最新の知識と技術が必要です。専門分野は、がん看護や精神看護、小児看護や急性期看護など多岐にわたります。
» 認定看護師になるには?メリットや、なるための費用を解説

専門看護師

専門看護師は、特定の看護分野で高度な知識と技術を有する看護師であり、日本看護協会によって認定されます。認定を受けるためには、少なくとも5年以上の臨床経験が必要です。専攻分野には、がん看護や精神看護、小児看護などがあります。

専門看護師は認定看護師とは異なり、リーダーシップや臨床実践能力がより高く求められる点が特徴です。資格は定期的な更新が必須で、厳しい試験と審査があるため、常に最新の知識と技術を維持しなくてはいけません。
» 専門看護師になるには?資格取得に向けた具体的なステップを解説

認定看護管理者

認定看護管理者は、看護師の中でも特に管理能力やリーダーシップを持つ者に与えられる資格です。認定看護管理者は、医療機関や介護施設で看護部門の管理業務を主に担当します。看護師としての実務経験を一定期間積んだ後、認定試験と必要な研修を受けることで認定されます。

認定看護管理者は、管理職としての役割だけでなく、若手の育成にも積極的に関わることが必要です。

看護師資格を取得するための費用と経済的支援

看護師になるためには、授業料や教材費、実習費など多くの費用が発生します。教育ローンや奨学金制度、看護学校の学生支援制度・免除制度など、国や地方自治体からの支援をうまく活用しましょう。

看護師資格取得にかかる費用

看護師資格を取得するには、看護学校の学費と入学金、国家試験の受験料などがかかります。学費は公立学校と私立学校で大きく異なります。公立学校では年間約50~100万円が一般的ですが、私立学校の場合は年間約100~200万円が必要です。入学金や登録料も10~30万円かかります。

教材費や実習費も年間10~30万円がかかり、国家試験の受験料には約2万円が必要です。

経済的支援の種類

学習者が資格取得に集中できるように、学費や生活費の負担を軽減できる以下のような経済的支援があります。

奨学金

政府機関や私立・公立の教育機関、非営利団体から提供される支援です。返済不要または条件付きで返済が免除されます。

教育ローン

銀行やその他金融機関が提供する学費や生活費をカバーするための借入金です。将来的に利息を支払いながら返済をします。

看護師奨励金

特定の地域や病院で働くことを条件に、看護学校の授業料やその他費用を支援する制度です。

授業料免除プログラム

一定の学業成績や社会貢献活動を行うことで、学校から授業料の一部または全額が免除されます。

雇用主による支援

看護師として働くことを前提に、雇用主が授業料や教育費用の一部または全額を負担する制度です。

支援を上手に活用することで、経済的な負担を減らし、看護師のキャリアをスムーズにスタートさせましょう。

資格取得費用の削減方法

資格取得にかかる費用を削減する方法は、以下のとおりです。

  • 奨学金や助成金を申請する
  • 学校や訓練機関が提供する支援プログラムを利用する

以上の方法を実践すると、資格取得に必要な経済的負担を大幅に減らせます。

看護師資格を取得後のキャリアパス

キャリアパス

看護師資格を取得した後は、さまざまな働き方が選択できます。看護師資格取得後に選べるキャリアの道筋について紹介します。

  • 病院
  • クリニック
  • 介護施設
  • 企業
  • 学校

病院

病院では、外科や内科、小児科など、さまざまな部署で働けます。24時間体制でのシフト勤務が一般的で、緊急時の迅速な対応や、患者の状態に応じた高度な医療技術が必要です。患者だけでなく家族へのケアも担当し、医師や他の医療スタッフと連携して質の高いチーム医療を提供します。

クリニック

クリニックは地域に密着した医療施設です。総合病院よりも小規模のため、患者一人ひとりに対する丁寧な対応が可能です。多くのクリニックでは家庭医が常駐しており、一般的な健康診断から特定の病気の管理まで、幅広い医療サービスを提供します。

予約制を取り入れている場合が多く、待ち時間を短縮する工夫がされています。忙しい日常の中でも、クリニックは気軽に利用することが可能です。たくさんの人に重宝されています。クリニックには日常的な健康管理をサポートする重要な役割があります。

介護施設

介護施設は、日常生活の支援が必要な高齢者や障害を持つ方々に適切なケアを提供する場所です。看護師は健康管理から緊急時の対応まで、幅広い活動を行います。利用者一人ひとりの心身の状態を把握し、それぞれに応じたケアをします。

リハビリテーション支援などを通じて、利用者の生活品質(QOL)の向上を目指すことも重要な役割です。介護施設の看護師は、さまざまな職種と協力しながら利用者の健康と安全を守り、生活を支えます。

企業

企業内の健康管理室や保健室では、従業員の健康を守るため、多岐にわたる業務を行います。従業員の日常の健康管理や健康相談はもちろん、定期健康診断の実施や緊急時の対応も行います。産業保健に関する活動や職場のストレス管理、健康教育、予防プログラムの企画・実施なども行います。

学校

学校で働く保健師は、日常の健康相談への対応や、けがの際の応急処置など生徒の健康管理が主な役割です。健康教育や病気の予防対策の指導を通じて、生徒たちの健康維持に貢献します。心の健康に関する相談にも対応します。学校行事の際は、医療スタッフとして活動するため、多岐にわたる知識とスキルが必要です。

看護師の資格に関するよくある質問

看護師資格に関するよくある質問をまとめました。資格取得を検討している方は参考にしてください。

看護師資格の有効期限はありますか?

看護師資格には有効期限はありません。一度看護師免許を取得すれば生涯有効で、更新や追加のテストはありません。ただし、看護実務から離れて5年以上経過している場合、再就職時に最新の医療知識や技術を学ぶ研修を受ける必要があります。

看護師国家試験の難易度はどのくらいですか?

看護師国家試験の難易度は一般的に高いとされています。試験内容は、看護師に必要な広範な医学的知識や看護技術、人体の構造や機能・疾病に関する理解を深く問う厳しいものです。試験はマークシート方式で構成され、年に一度実施されます。合格率は年によって異なりますが、平均して約80~90%程度です。

試験対策には、過去問題の解析や参考書を用いた勉強が有効です。看護師国家試験は高い合格率ですが、難易度は決して低くないため、十分な準備と努力が求められます。

看護師資格を取得するために必要な勉強時間は?

勉強時間は人それぞれですが、1日3~4時間の学習を1年間続けると試験に合格しやすいとされています。

まとめ

看護師の資格には、基本的に看護師と准看護師の2つの資格があります。看護師の中でも特定看護資格として、保健師や助産師があります。それぞれの資格を取得するには、教育機関での学習と国家試験の合格や都道府県知事の認定が必要です。

資格取得後は、病院やクリニック、介護施設などさまざまな場所で活躍できます。専門性をさらに深めたい場合は、上級資格を目指しましょう。

看護師としてのキャリアを築くためには、基礎教育と実践経験の積み重ねが重要です。

blog運営者とわこ
助産師歴20年以上、転職を5回経験し、異業種にも一度挑戦しました。その中で特に感じたのは、転職がいかに難しく、そして大切なものかということです。

このブログでは、助産師が転職に失敗しないためのアドバイスや、私自身の経験談をシェアしていきます。皆さんが自分に合ったキャリアを見つけ、自分らしく働けるようにお手伝いしたいと思っています。
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