【体験談あり】助産師の仕事がきつい理由5選とその解決策!プレッシャーに打ち勝つ方法

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2024.12.15更新

助産師の仕事は、命のリレーをつなぐ重要な役割です。やりがいたっぷりですが、同時に大きな責任とプレッシャーも伴います。「このままでいいのか」「辞めたいけどどうすれば…」と悩んでいる方も多いのではないでしょうか。

この記事では、「助産師の仕事がきつい」と言われる具体的な理由を掘り下げ、仕事の魅力や、心身の負担を軽減する解決策をご紹介します。

記事を読んで、自身の経験を通して気持ちの整理ができ、これからのキャリアを考えるきっかけになれば幸いです。

この記事の目次

助産師がきついと言われる理由

助産師がきついと言われる理由は、下記のとおりです。

  • 母子の命を預かる精神的な負担が大きい
  • 不規則な勤務で体力的な負担が大きい
  • 人間関係のストレスが多い
  • 幸せな出産ばかりではない
  • 継続的に学び続けなくてはならない

母子の命を預かる精神的な負担が大きい

助産師が担う母子の命の責任は、とても大きな精神的負担を伴います。出産は予測が難しく、状況が刻一刻と変化するため、常に高い緊張感の中で冷静な判断が必須です。母子の命を預かる精神的な負担は、以下のとおりです。

  • 緊急時の迅速な対応が必要
  • 生命に関わる判断の連続
  • 予期せぬ合併症への対処
  • 母親の心理的サポート
  • 医療過誤のリスクと責任

助産師の仕事は母子双方の生命と心に深く関わるため、責任とストレスは大きいと言えます。

不規則な勤務で体力的な負担が大きい

不規則な勤務は、助産師にとって大きな体力的負担です。助産師の仕事は、日々の勤務時間が一定しないことが多く、夜勤や長時間勤務が要求される場合があります。日常生活のリズムを乱し、持続的な疲労を蓄積させやすい勤務形態です。具体的な負担の内容は、以下のとおりです。

  • 深夜の緊急呼び出し
  • 長時間に及ぶ分娩介助
  • 不規則な食事時間
  • 休日出勤の頻度が高い
  • 睡眠時間の確保が難しい

急な呼び出しによって休暇が確保しにくく、計画的に休息を取ることが難しくなります。睡眠不足が常態化し、体の免疫力が低下するリスクが高まります。実際に助産師の中には、慢性的な疲労感や頭痛、胃腸障害などの症状を訴える方も多いです。

人間関係のストレスが多い

ストレス

助産師として働く中で、人間関係のストレスは避けられない課題です。職場での対人関係の複雑さや、患者と家族との感情的なやり取りなど、さまざまな要因がストレスを引き起こします。人間関係のストレスは、以下のとおりです。

  • 医師との意見の相違
  • 同僚との業務分担の不公平感
  • 患者からの過度な要求
  • 他部署との連携の難しさ
  • 世代間のコミュニケーション

ハイリスク妊娠や難産の場合、患者や家族の不安や焦りが高まり、助産師に対して厳しい態度を取ることがあります。無理難題に冷静に対応しながら、適切なケアを提供し続けることは、大きな精神的負担です。

幸せな出産ばかりではない

出産は一般に幸せなイベントとされていますが、そうとは限りません。助産師は時に、困難や悲しみを伴う状況にも直面します。悲しい経験は、助産師自身にとっても、大きな心的外傷となる場合があります。助産師が直面する可能性のある困難な状況は、以下のとおりです。

  • 望まない妊娠
  • 流産や死産
  • 社会的ハイリスク妊婦への対応
  • 母体の重篤な合併症
  • 先天性疾患を持つ児

妊娠後期の死産に立ち会う場合、助産師は深い悲しみに暮れる両親をケアしなければなりません。専門的なケアを提供しながらも、自身の感情をコントロールし、適切な共感を示すことが求められます。

継続的に学び続けなくてはならない

勉強

助産師は、常に最新の医学知識や医療技術を身に付ける必要があります。医学や医療技術は日々進化しているため、古い知識では対応が難しい場合があるからです。継続的な学習の必要性は、助産師の仕事をきつく感じさせる要因の一つとなっています。助産師が継続的に学ぶべき主な分野は、以下のとおりです。

  • 最新の出産技術と安全管理
  • 新しい医療機器の操作方法
  • 妊娠・出産の最新研究結果
  • 母子保健の法律や制度変更
  • 新たな育児支援の方法
  • 医療倫理や患者の権利

近年では、出産時の痛み緩和の方法が進化しており、硬膜外麻酔や笑気ガスの使用など、新しい技術が導入されています。助産師は新しい方法について学び、適切に実施できるようになる必要があります。
» 助産師の仕事内容と役割を解説!

社会的な課題が影響する助産師の「きつさ」

助産師が直面する「きつさ」には、社会的な問題も絡んでいます。以下の2つが影響しています。

  • 人手不足や業務過多
  • 働き方改革とのギャップ

人手不足や業務過多

助産師の現場は慢性的な人手不足に悩まされています。一人の助産師が担当する業務が多岐にわたり、分娩の補助だけでなく、新生児ケアや産後指導まで行うため、常に忙しい状況が続きます。この背景には、助産師の資格取得が難しいことや、離職率の高さがあります。

働き方改革とのギャップ

働き方改革が進む中でも、医療現場ではシフトの調整が難しく、他業種と比べて進展が遅れているのが現状です。突然の患者対応や分娩が重なると予定していた休みが取れないことも多く、これが現場での不満の原因となっています。

助産師がやりがいを感じる瞬間

新生児

助産師の仕事には他職種では得られない「やりがい」も数多く存在します。助産師が喜びを感じる場面を以下に挙げます。

  • 命の誕生に立ち会える喜び
  • 患者との絆が深まるとき
  • 専門知識やスキルの向上を実感した瞬間

命の誕生に立ち会える喜び

命の誕生は、助産師にとって最大の感動を伴う瞬間です。無事に分娩を終えた母親が安心した表情を見せるときや、新しい家族の笑顔に触れるとき、助産師は自分の仕事の意義を実感します。

患者との絆が深まるとき

患者との信頼関係が築かれると、助産師の仕事はさらにやりがいを増します。助産ケアを通じて「ありがとう」と言われることは、助産師にとって何よりの励みです。

専門知識やスキルの向上を実感した瞬間

日々の仕事を通じて、新しい技術や知識を学び、それを現場で活かすことも助産師の成長に繋がります。分娩時に適切な対応ができたときや、トラブルを乗り越えたときは、大きな達成感を得られます。

助産師がきついと感じたときの対処法

対処

助産師がきついと感じたとき、どうすればよいかを具体的に考えることが大切です。きついと感じたときの主な対処法として、以下の方法があります。

  • きつくて辞めたい理由を紙に書き出す
  • 仕事から距離を置く
  • 同僚や先輩に相談する
  • 指摘された内容を仕事に生かす
  • 看護師として働く
  • 転職する

上記の対処法を活用することで、助産師として再び充実感を感じられるようになります。重要なのは、自分自身の心身の状態に向き合い、必要な場合は、ためらわずに行動を起こすことです。

きつくて辞めたい理由を紙に書き出す

仕事がきつくて辞めたいと感じることは、避けられない事態です。負の感情を抱いたとき、理由を紙に書き出すことはとても有効な手段となります。紙に書く内容としては、以下のような項目が考えられます。

  • 精神的に負担が大きい状況
  • 体力的に厳しい勤務形態
  • 人間関係での問題点
  • 仕事での不安や恐怖
  • キャリアの不満や期待外れ
  • 給与や待遇への不満

「夜勤が多すぎて体力的にきつい」「難しい分娩ケースが続いて精神的に疲れている」など、具体的な内容を書き出しましょう。「上司がムカつく」などの愚痴でも構いません。正直かつ赤裸々に書き出します。書き出すことで、次のようなメリットを得られます。

  • 問題を客観的に見られる
  • 感情の整理ができる
  • 優先順位をつけやすくなる
  • 具体的な改善策を考える
  • 他者に伝えやすくなる

書き出した後は「解決策」を考えましょう「夜勤が多すぎて体力的にきつい」と書いたなら「夜勤の回数を減らせないか上司に相談する」と、解決策を考えるイメージです。

仕事から距離を置く

仕事から距離を置くことは、精神的なリフレッシュや体力の回復にとても有効です。具体的には、次のような方法があります。

  • 休暇を取得する
  • 趣味やレジャーの時間を作る
  • 短期間の休職を検討する
  • 部署変更を申し出る
  • ワークライフバランスを見直す

仕事とは全く異なる活動に取り組むことで、ストレスの解消が可能です。

同僚や先輩に相談する

同僚や先輩に相談することは、ストレスや悩みを軽減する上でとても効果的です。経験豊富な先輩は、困難な状況を乗り越える方法や精神的な負担を管理する技術を持っています。相談を効果的に行うためには、以下のようなアプローチが有効です。

  • 信頼できる相手を選ぶ
  • 具体的な問題を共有する
  • 先輩の経験談を聞く
  • 改善策について意見を求める
  • チームの支援体制を話し合う

難しい分娩ケースに直面して自信を失っていた場合、ベテラン助産師に相談することで、似た経験や乗り越え方を聞けます。今は頼れる先輩でも、過去には自分と同じ経験をしたのだと大きな励みになります。

指摘された内容を仕事に生かす

モニタリング

指摘された内容を仕事に生かすことは、自身の成長に大いに役立たせるチャンスです。効果的に指摘を生かすためには、以下のステップを踏んでいきましょう。

  • 指摘内容を客観的に受け止める
  • 具体的な改善点を特定する
  • 改善のための行動計画を立てる
  • 定期的に自己評価を行う
  • 成功事例や資料を参考にする
  • フィードバックを求める

分娩介助の技術について指摘を受けた場合、次のように行動できます。

  • 指摘された点を明確にする
  • 関連文献やガイドラインを調べる
  • シミュレーターで技術を練習する
  • 経験豊富な同僚に指導を依頼する
  • 次の機会に改善点を実践する
  • 上司や同僚からフィードバックをもらう

実際の仕事から得られた知識を生かすことで、実務ですぐに使えるトラブルシューティングが出来上がります。

看護師として働く

助産師の業務に負担を感じている場合、看護師として働くことも一つの選択肢です。助産師は看護師の資格も持っているため、比較的スムーズに転換できる可能性があります。看護師として働くことで、以下のようなメリットが考えられます。

  • 業務内容の多様化
  • 勤務形態の選択肢の増加
  • 特定の分野への専門化
  • ストレス要因の変化
  • 新しい学習機会の獲得

産婦人科以外の診療科で働くことで、異なる種類の医療経験を積むことが可能です。さまざまな分野で看護師として働くことで、幅広い知識と技術を身に付けられます。勤務形態も病院だけでなく、診療所や訪問看護ステーション、介護施設など多くの選択肢があります。

ただし、看護師として働く際には、以下の点には注意しましょう。

  • 給与が下がる
  • 新しい環境へ馴染めない
  • 助産師としてのスキルを維持しなければならない
  • 新たな専門知識の習得に伴う学習ストレスがある

転職する

女性

転職を考える助産師にとって、新しい職場選びは重要です。専門性を生かしやすい環境や、ワークライフバランスを考慮した職場を見つけることが肝心です。転職を検討する際には、以下のような選択肢があります。

  • 他の医療機関での助産師として働く
  • 助産院を開業する
  • 保健師や公衆衛生関連の職に就く
  • 医療機器会社や教育機関で働く
  • 国際協力機関で働く

他の医療機関で助産師として働く場合、大学病院や総合病院、診療所、助産院など、さまざまな選択肢があります。それぞれの特徴は、以下のとおりです。

スクロールできます
勤務先特徴メリット
大学病院高度な医療、研究の機会専門性の向上、キャリアアップ
総合病院幅広い症例、チーム医療多量な経験、安定性
診療所地域に密着、家庭的な雰囲気ワークライフバランス、患者との深い関係
助産院自然分娩中心、少人数制助産師の専門性を発揮、自己裁量権の拡大

転職を検討する際は、以下の点に注意しましょう。

  • 自分の価値観やキャリアゴールとの一致
  • 勤務条件(給与、勤務時間、休日など)
  • 職場の雰囲気や文化
  • スキルアップの機会
  • 通勤の利便性

転職活動を効果的に進めるためには、転職エージェントの利用がおすすめです。専門のアドバイザーが、助産師としての経験や希望する条件を考慮して、最適な職場を紹介してくれます。
»徹底比較!助産師におすすめの転職エージェント
»徹底比較!看護師におすすめの転職エージェント

私の体験談:助産師が一番つらかった時に乗り越えられたきっかけ

女性

私が助産師として一番つらかった時期のことをご紹介します。

  • 新人時代の判断ミス ー 子宮口全開と1指開大の誤り
  • 記録ミスが続いた転職先での苦悩

新人時代の判断ミス ー 子宮口全開と1指開大の誤り

新卒で助産師として準夜勤務に入り、分娩担当を任されたときのことです。日勤からの引き継ぎ直後、初産の方が入院してきたので内診を行い、子宮口が全開大だと思い込みました。そのため、準夜勤に対応する助産師が不足し、日勤の助産師に残ってもらい他の帝王切開の患者準備をお願いしました。

しかし、後になって私の内診所見が誤っていたことが発覚し、非常にショックを受けました。翌日の夜勤を交代してもらい、休むことにしました。しばらく休んだ後、「もう一度頑張ってみよう」と思える気持ちが少しずつ湧いてきました。

記録ミスが続いた転職先での苦悩

助産師4年目の春に、分娩件数が多い周産期センターにキャリアアップを目指して転職しました。しかし、忙しさと高い専門性を求められる中で、自分のスキルが追いつかず、記録ミスが続いてしまいました。

厳しい教育体制に加え、心身共に追い詰められ、「もう限界かも…」と感じていたところ、ちょうど夏季休暇が始まりました。一週間の休暇を取ると、少しリフレッシュできたようで、「あと少しだけ頑張ってみよう」と思えるようになりました。

とわこ

私の場合は、仕事から距離を置くことで乗り越えられました。

まとめ

助産師の仕事は重要であり、母子の健康を支える役割を担っています。専門的な知識と技術が求められるだけでなく、精神的、体力的な強さも必要です。

助産師として長く働き続けるためには、自分に合った職場や働き方を見つけることが大切です。分娩件数が少ない産院や、教育制度が整った病院を選ぶなど、自分の特性に合った環境を選ぶことで、負担を軽減して働き続けることができます。

» 成功確率がアップする!助産師や看護師の転職活動の方法

blog運営者とわこ
助産師歴20年以上、転職を5回経験し、異業種にも一度挑戦しました。その中で特に感じたのは、転職がいかに難しく、そして大切なものかということです。

このブログでは、助産師が転職に失敗しないためのアドバイスや、私自身の経験談をシェアしていきます。皆さんが自分に合ったキャリアを見つけ、自分らしく働けるようにお手伝いしたいと思っています。

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