【助産師と看護師の違いとは?】資格・役割・仕事内容を徹底比較!

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2024.11.16更新

助産師と看護師のどちらを目指すべきか悩んでいませんか?

助産師と看護師はどちらも医療現場で人々の健康を支える重要な職業です。多くの方が医療従事者として認識していますが、それぞれの資格や役割、専門性には違いがあります。

この記事では、助産師と看護師の基礎知識から具体的な違い、それぞれに求められるスキルや適正までを詳しく解説します。記事を読めば、自分に合った職種を選ぶ手助けができます。医療業界での自分の役割を明確にして、適切な職種を選びましょう。

この記事の目次

助産師と看護師の違い

助産師と看護師は医療の現場で重要な役割を果たしますが、さまざまな点で違いがあります。職業選択の際には、自分が望む仕事内容や生活スタイルを慎重に検討することが重要です。助産師と看護師の違いについて、以下のポイントに分けて詳しく解説します。

  • 資格
  • 法的役割
  • 歴史的背景
  • 仕事内容
  • 勤務場所
  • 年収
  • シフト
  • キャリアパス
  • 将来性の違い
  • 求人数
  • 就業者数
  • やりがい
  • 大変なこと

資格の違い

助産師資格と看護師資格は、取得方法と役割に違いがあります。看護師は主に病院やクリニックで医療行為を行いますが、助産師は妊娠や出産、産後ケアまでをトータルで支援します。助産師には更に広範な知識と技術が求められるため、専門的な教育が必要です。

助産師になるには、看護師の資格を取得した後に助産師養成課程を修了し、助産師国家試験に合格する必要があります。看護師資格が助産師の基礎資格となり、追加で助産師の資格を取得する形です。助産師は看護師としての基本的な医療知識と、妊娠・出産に特化した知識と技能を併せ持ちます。
» 助産師になるためのステップと、助産師の役割について解説

看護師資格を取得するためには、看護師養成学校または看護学部を卒業し、看護師国家試験に合格する必要があります。看護師資格のみでも病棟や在宅医療での医療行為が可能です。
»看護師資格の種類と取得方法を解説

法的役割の違い

助産師と看護師の役割には、法律によって定められた違いがあります。助産師は分娩の介助や新生児のケアといった「助産行為」を医師の指示なしで行うことが許されています。正常分娩であれば助産師が単独で介助でき、分娩時の進行状況の管理も担当します。助産師は妊婦の体調や胎児の健康状態を専門的に評価し、緊急時には医師に報告する役割も担います。

看護師は基本的に医師の指示のもとで医療行為を行います。患者への投薬や処置、バイタルサインの測定なども医師の指示に従って実施します。看護師は患者のケアに幅広く対応するため、病棟から外来、在宅看護まで対応の幅が広いことが特徴です。

とわこ

私はこの点が一番大きな違いだと思います。

歴史的背景の違い

歴史

助産師と看護師の役割は、それぞれ歴史的に異なる経緯をたどっています。日本における助産師の歴史は、江戸時代の「産婆(さんば)」に遡ります。産婆は地域社会で出産を支える役割を果たし、長年培われた出産の知識を実践に活かしてきました。現在では医療機関や助産院で働く専門職として確立されています。

看護師の歴史は明治時代に始まり、近代医療の発展とともに専門職として成長してきました。看護師は病院内のケアを中心に、時代とともに在宅医療や高齢者ケアなどにも対応する幅広い役割を担うようになりました。

仕事内容の違い

助産師と看護師の仕事内容には、明確な違いがあります。助産師は出産のサポートや妊娠中の女性の健康管理、出産後のケアに特化します。助産施設や在宅での出産を含む、出産全般のプロセスを管理することが主な仕事です。
» 助産師の仕事内容と役割を解説!

看護師は、病気やけがの治療をサポートし、患者の健康の維持向上を目指します。主に病院などの医療施設で働き、健康指導や病状観察、医療処置、リハビリテーション支援といった幅広い役割を担います。助産師と看護師はそれぞれ異なる重要な役割を持ち、医療現場で欠かせない存在です。

勤務場所の違い

助産師は、出産に関連する病院の産婦人科や周産期センター、助産院が主な勤務先です。在宅での出産をサポートしたり、独立して自分の助産院を開業したりする選択肢もあります。自由な環境で働きたいと考える人にとっても魅力的です。
» 助産師の働き方と働く場所の基礎知識

看護師は病院やクリニック、介護施設、学校、企業などの多岐にわたる場所での勤務が可能です。看護師は場所を選ばず幅広い職場で活躍するチャンスがあります。

年収の違い

助産師の平均年収は、約500〜600万円程度です。看護師は約400〜500万円程度の年収です。独立して開業すると、さらに収入が増える可能性が高いです。

看護師の年収は勤務形態によって大きく変動します。大都市や専門病院で勤務する場合は、年収が高い傾向にあります。

シフトの違い

助産師のシフトは出産のタイミングに合わせるため、不規則になりがちです。出産の予測が難しく、夜間や早朝に出産が集中する場合もあります。夜勤を含む長時間勤務が必要です。

看護師のシフトは勤務地によって異なるものの、一般的には3交代制や2交代制が取られています。看護師は夜勤を含む24時間体制での勤務が一般的で、病院や施設によってシフトが組まれます。

とわこ

勤務先によってシフトのパターンは異なるため、自分のライフスタイルや希望に合った職場を選ぶことが大切です。

キャリアパスの違い

助産師は出産と女性の健康に特化しており、産科や婦人科の専門知識を深めることでキャリアアップが可能です。専門性の高さから、研究や教育の分野における指導者としても活躍できます。独立して自分のクリニックを開業することも可能です。

看護師のキャリアパスはさまざまで、広範な医療分野で経験を積めます。病院内での異なる部門や公衆衛生、教育、研究職、管理職、高度な専門職のほか、海外で勤務経験を積む機会も増えています。助産師と看護師では、専門性の深さやキャリアの多様性が異なるため、自分の興味や将来の目指す方向に応じて選びましょう。

将来性の違い

助産師と看護師はどちらも医療現場で重要な役割を担う職種ですが、将来性には違いがあります。助産師は少子化の影響を受ける一方で、女性特有の健康支援や出産を専門とするスキルが求められ、ニッチな分野での需要が安定しています。

看護師は多様な医療現場で働ける汎用性の高さが強みで、高齢化社会に伴い在宅医療や地域医療での活躍が期待されています。自身の興味や働き方の希望に合わせて選ぶことが、満足のいくキャリアにつながるでしょう。

求人数の違い

看護師の求人数は助産師に比べて多いです。看護師は病院やクリニック、介護施設などのさまざまな医療現場で広く必要とされます。助産師の求人は産科や婦人科、助産院などの特定の専門領域のみです。助産師の求人は少ないですが、専門性の高さから、求めるスキルや条件は厳しい傾向にあります。

就業者数の違い

日本全国での助産師の就業者数が約1万5000人なのに対し、看護師は約170万人以上います。助産師の求人は、主に産院や助産院です。看護師は病院やクリニック、介護施設などの多岐にわたる場所で働けるため、求人数に大きな差があります。

看護師の需要は、助産師よりも高めです。人口動態や医療政策が変わることにより、職種の就業者数に変動が生じる可能性もあります。就業者数の違いは、助産師と看護師の職種を選ぶ際の重要なポイントです。

やりがいの違い

分娩介助

助産師は生命の誕生という特別な瞬間に立ち会うため、重要な時期に母子の健康を支える役割を担います。新しい命の誕生をサポートし、女性の健康を一生涯にわたって支援することが可能です。
» 助産師のやりがいを深掘り!専門職としての魅力とは?

看護師は、患者の治療だけでなく、健康管理や回復のサポートも行います。緊急対応や慢性病の管理など、さまざまな状況で活躍できる点が魅力です。どちらの職業も、人の生活や健康に直接的な影響を与えるため、社会的な意義や貢献を実感できます。

大変なことの違い

助産師は出産時の緊急事態への対応が求められ、高いプレッシャーのもとで冷静な判断を下す能力が必要です。患者を感情面でもサポートし、信頼関係を築く必要があります。夜間や休日も出勤し、長時間労働が一般的です。体力的および精神的な負担は大きなものです。
» 助産師がきついといわれる理由ときついと感じたときの対処法を解説

看護師は多様な医療環境で迅速な判断が求められます。患者との接触時間が短いため、効率的な対応が必要です。患者のニーズに応じた多くの任務をこなす必要があり、常に高いストレス状態に置かれます。シフト制の勤務による不規則な生活リズムも、看護師の大変なポイントです。

とわこ

勤務先によって仕事の大変さも異なるため、自分のライフスタイルや希望に合った職場を選ぶことが大切です。

助産師と看護師に求められるスキルや適正

助産師と看護師には求められるスキルや適性があります。特に高いコミュニケーション能力は、どちらの職種にも欠かせないスキルです。それぞれに求められるスキルや適性について説明します。

助産師に求められるスキル・適正

助産師に求められるスキルや適正は、具体的には以下のとおりです。

  • コミュニケーション能力が高い
  • 忍耐力があり、緊張状態でも冷静に判断できる
  • 妊婦や赤ちゃんの健康と安全に対する責任感がある
  • 注意深く、細部に目を配れる
  • 知識と技術を学び、習得する意欲がある
  • 柔軟性があり、変化する状況に適応できる
  • チームワークを重視し、他の医療専門家と協力できる
  • 共感力が高く、感情面のサポートができる

看護師に求められるスキル・適正

看護師はさまざまな患者と接するため、非言語的なコミュニケーション力も求められます。看護師に求められるスキルや適正は、具体的には以下のとおりです。

  • コミュニケーション能力が高い
  • 忍耐強く、精神的に安定している
  • 協調性があり、チームワークを大切にできる
  • 細やかな観察力と分析力がある
  • 柔軟性があり、状況に応じて臨機応変に対応できる
  • 相手に寄り添う気持ちが強く、思いやりがある
  • ストレス耐性があり、厳しい環境でも冷静に行動できる
  • 医療・看護の知識と技術が身についている
  • 健康に関する幅広い知識がある
  • 継続的な学びや自己成長に意欲的である

助産師と看護師の違いに関するよくある質問

助産師と看護師の違いに関するよくある質問をまとめました。助産師や看護師になりたい方は参考にしてください。

男性でも助産師や看護師になれる?

男性でも看護師にはなれますが、助産師にはなれません。日本では、看護師の資格は性別に関係なく取得できます。男性看護師は、一般病棟や救急病棟、精神科、手術室などのさまざまな分野で活躍しています。男性の特性を活かし、患者のケアやサポートも可能です。

助産師は、法的に女性のみが資格を取得できます。現行の日本の法律では、男性が助産師になることは認められていません。男性が出産や妊娠に関わる医療職を目指す場合には、看護師として産科や婦人科で働く道を検討しましょう。

少子化で助産師の需要は減る?

少子化による出生率の低下は、助産師の需要減少をもたらす可能性があります。出生数の減少は、助産師の仕事量に直接影響します。しかし、高齢出産の増加に伴い、リスク管理や高度なケアが求められる場面が増えているのも事実です。助産師の専門性が、より重要視されつつあります。

地方や人手不足の地域では、助産師の需要は依然として高いです。助産師による妊娠中のケアや、育児支援サービスの需要も高いです。一部の地域で実施されている出産前後のケアプログラムを強化する政策でも、助産師が求められます。

助産師や看護師としてキャリアアップする方法は?

助産師や看護師のキャリアアップの方法は、以下のとおりです。

  • 専門的な資格や認定を取得する(例:認定看護師、専門看護師、助産師認定)
  • 看護学の修士号や博士号を取得する
  • 研修やセミナーに参加して、最新の医療知識や技術を学ぶ
  • 管理職としての経験を積む
  • 海外での研修や勤務を体験し、国際的な視野を持つ

計画的にキャリアアップを進めると、助産師や看護師としてより充実した人生を送れます。
» 助産師の平均年収を徹底調査!

まとめ

助産師と看護師は、それぞれ異なる役割と魅力を持つ職業です。助産師は妊娠から出産、産後ケアまでを専門にし、妊婦と家族をサポートします。看護師はより広範な医療サービスを提供し、多様な患者をケアします。

助産師と看護師に共通して必要なスキルは、高いコミュニケーション能力と忍耐力、専門知識です。自分の性格やキャリア目標に合わせて、適した職種を選びましょう。

blog運営者とわこ
助産師歴20年以上、転職を5回経験し、異業種にも一度挑戦しました。その中で特に感じたのは、転職がいかに難しく、そして大切なものかということです。

このブログでは、助産師が転職に失敗しないためのアドバイスや、私自身の経験談をシェアしていきます。皆さんが自分に合ったキャリアを見つけ、自分らしく働けるようにお手伝いしたいと思っています。

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