2024.11.13更新
助産師として年収1000万円を目指すことは一見遠い夢のように思われがちですが、実際にはキャリアアップやスキル向上によって実現可能な方法もあります。
本記事では、助産師の年収の現状から、年収1000万円を目指すための具体的な方法や、注意点について詳しく解説します。
専門的な内容もわかりやすく説明しながら、助産師としてさらなる成長を目指す方々に役立つ情報を提供します。記事を読むことで、高収入を得るための戦略が明確になりますので参考にしてください。
助産師の平均年収
助産師の平均年収は、450〜600万円です。年収は勤務地や経験年数によって大きく異なります。一般的に、公立や公立な病院で働く助産師は高い年収を得やすいです。助産師は経験年数や勤続年数によって昇給していく傾向があります。
年齢ごとの平均年収を見てみると、初年度は約400万円です。50代前半で約700万円になるまで、段階的に上昇しています。50代後半となると夜勤を減らす人や役職定年を迎える場合があり、年収は下降傾向にあります。
助産師の中には、20代後半から30代で出産・育児のために現場を離れる人もいますし、50代で介護休暇を取得する人もいます。正職員で勤務を続ける人や、パートへ働き方を変える人などさまざまです。助産師の平均年収は地域によって大きく異なります。地域別の平均年収は以下のとおりです。
ランキング | 年収が高めの地域 | 年収が低めの地域 |
---|---|---|
1位 | 岐阜県 約909万円 | 島根県 約452万円 |
2位 | 山口県 約683万円 | 石川県 約445万円 |
3位 | 大分県 約676万円 | 青森県 約441万円 |
4位 | 群馬県 約644万円 | 山梨県 約437万円 |
5位 | 奈良県 約626万円 | 福井県 約433万円 |
※厚生労働省「令和三年度賃金構造基本統計調査」をもとに算出
順位は発表年度によって変動するため注意が必要です。平均額を見ると必ずしも都市部が高いとは限らないこと、人口だけで差が出るわけではないことを把握しておきましょう。
» 助産師の平均年収を徹底調査!
助産師で年収1,000万円を目指す7つの方法
助産師で年収1,000万円を目指すには、計画的な取り組みが必要です。年収を増やすための以下の方法について説明します。
- 都心の病院に転職する
- 美容系クリニックに転職する
- 看護部長になる
- 外資系の医療機器メーカーに転職する
- 助産師・看護師の経験を活かして起業する
- 高年収の一般企業に転職する
- 副業をする
都心の病院に転職する
年収アップのため、都心の病院に転職するのは効果的です。地方に比べて給与水準が高く、さまざまな手当も充実しています。都市部の病院には先進的な医療設備や治療技術がある場合が多く、専門スキルを磨く機会が豊富です。病院数も多いため、良い職場を見つけやすい環境が整っています。
都心の病院では助産師や看護師の需要が高く、慢性的な人手不足のため転職市場が活発です。地方から転居する場合は一時的に負担がかかりますが、総合的に見て多くの利点があります。
美容系クリニックに転職する
美容系クリニックに転職することは、高収入を得るための有効な方法の一つです。市場は拡大を続けており、さまざまな治療を提供するクリニックが増加しています。美容系のクリニックでは求人が増え、転職市場が活発です。
美容クリニックでの主な仕事内容には、美容注射やレーザー治療、アンチエイジング治療などがあります。施術を行うには専門的な知識や技術が必要とされるため、関連する資格や経験があると転職成功の可能性が高いです。患者の希望に応じた治療を提供するため、コミュニケーション能力も求められます。
美容系のクリニックでは、成果に応じた高額なインセンティブやボーナスが設定されていることがあります。基本給以外の手当が、高収入を実現する大きな要因の一つです。
看護部長になる
看護部長とは看護師全体を管理する管理職です。技術や経験だけでなく、マネジメント能力も求められます。看護部長の仕事は病院によって異なりますが、病院全体の運営や経営にも携わるポストです。求められる能力としては、以下のものがあります。
- 病床の把握、管理能力
- 情報共有、伝達能力
- 各部署との連携、調整能力
- 採用面接、看護師のOJTなど人材育成能力
- 地域連絡室や業者との折衝能力
- 院内ラウンド、スタッフの状況把握能力
- トラブル対処能力
- 病院運営、経営判断能力
看護部長の役割には、全看護師の取りまとめだけではありません。地域の関連施設や他の病院などとの交流を図り、外部にも目を向けた視点を持つことも大切です。広範囲にわたる業務と責任の重さから、看護部長になると年収が大幅に向上する可能性があります。
外資系の医療機器メーカーに転職する
高収入を目指すなら、外資系医療機器メーカーへの転職も選択肢の一つです。一般的に外資系企業は高い報酬体系を持っており、年収アップに期待が持てます。医療機器の知識や技術営業スキルが求められるため、専門性を高めることが重要です。
外資系企業では日常的に英語を使う機会が多くなります。コミュニケーション能力を鍛えることが必要です。日常的に多様な価値観に触れたり専門技術に携わったりすることで、キャリアの幅を広げられます。
外資系の医療機器メーカーに転職すると、高い報酬が得られるだけでなく、専門技術や言語力が磨けます。助産師としてのスキルだけでなく、幅広い分野で活躍するための基盤を築くことが可能です。
助産師・看護師の経験を活かして起業する
起業すると、年収を飛躍的に伸ばせる可能性があります。助産師の資格や経験を活かすと「在宅医療サービス」や「訪問看護ステーション」を開業できます。高齢化社会において、介護サービスは欠かせません。国も住み慣れた地域での生活推進を進めています。在宅医療サービスや訪問看護のニーズはさらに増える見込みです。
起業すると運営方針を自分で決められます。起業という選択肢は高収入が見込めるだけでなく、やりたい看護を叶えられるチャンスでもあります。業務提携をして、ヘルスケア関連のアプリやソフトウェア開発に関わることも可能です。オンラインで健康管理や生活改善指導を提供するサービスも増えています。
フリーランスのライターやコンサルタントも、時間と場所にとらわれない仕事として人気です。助産師としての勤務経験で得たコミュニケーション能力を活用すれば、さまざまなビジネスの可能性が広がります。資格を持っていることで権威性を示せます。起業にあたっては信頼が大切です。
高年収の一般企業に転職する
助産師経験を活かして高年収を得るためには、一般企業への転職も有効な選択肢になります。医療機器販売や、医療コンサルティングなどもおすすめです。営業や販売のスキルを身に付けると、医療の専門知識を活かしながらより高い給与を得られます。
転職を成功させるためには、業界研究を行い、高給与を提供している企業をリストアップすることが肝心です。転職エージェントを活用すると、専門的なアドバイスやサポートが受けられます。客観的な視点で自己分析をし、自分の強みを伝えられると効果的です。
職務経歴書のブラッシュアップや面接対策は欠かせません。業界知識や移行可能なスキルを強調して転職を成功させましょう。
副業をする
副業は、助産師が収入を増やす手段として有効です。母子の健康や医療の知識に関する以下の副業は、助産師としての専門性が活かせます。
- フリーランスのコンサルティング
- オンラインでの健康指導やカウンセリング
- 医療関連のライターやブログ運営
- 医療機器や健康補助品の販売代理店業務
副業をする際には、本業に支障がない範囲で行うことが大切です。夜勤をこなしながら終業前後や休日に働くことは、体力的にも精神的には容易ではありません。オンラインで完結するものを選ぶと、ワークライフバランスを考慮した柔軟な働き方が可能です。
助産師で年収1,000万円を目指すために必要なスキル
助産師として年収1,000万円を目指すには、看護技術以外のスキルも身に付ける必要があります。平均以上の価値が提供できると、年収が上がりやすいです。助産師のスキルと掛け合わせて高い価値を提供できる能力として、以下の解説をします。
- 英語力
- 営業力
- マーケティングスキル
- 認定看護管理者資格
英語力
英語でコミュニケーションとれると、外資系企業や国際会議での活躍の幅が広がります。医療関係の論文や文献は、英語で書かれているものが多いです。英語読解力があれば、最新の医療技術や研究を学べます。スキルアップのためには自己研鑽が欠かせません。
海外からの旅行者や滞在者が増えているため、医療機関を利用する外国人も増加しています。医療機関を利用した外国人の中には、言語の違いによる問題を抱えた人も多いです。日本語での意思疎通が難しい場合は、翻訳アプリや通訳などのサポートが必要です。
英語を使った患者対応ができると、異文化の患者ともコミュニケーションを取りやすくなります。英語力は助産師としてのキャリアを大きく広げる可能性があります。
営業力
営業力は、患者や患者の家族と信頼関係を築く能力です。営業力があれば、医療サービスを的確に提案できます。営業力の向上は、患者満足度を高めクリニックの評価をあげるのに効果的です。プライベートクリニックや美容系クリニックでの売り上げにも貢献します。
医療機器や健康関連商品の販売において、営業力の高さは重要です。助産師が営業力を身に付けるためには、コミュニケーションスキルの強化と市場ニーズへの理解が必要です。営業力があれば多くの機会をつかみ、職場での成功につなげられます。
マーケティングスキル
助産師が年収1,000万円を目指すには、マーケティングのスキルが欠かせません。マーケティングスキルには、以下ものが含まれます。
- デジタルマーケティングの知識
- ターゲット市場の分析能力
- コンテンツ作成技術
- データ分析スキル
- インフルエンサーマーケティング
- オンライン広告の管理と最適化
マーケティングのスキルがあれば、SNS運用にも活かせます。勤務先の採用や広報活動にも、SNSは欠かせません。助産師としての能力以外でも勤務先に貢献できれば、必然的に評価が高くなります。
認定看護管理者資格
認定看護管理者資格は、患者や家族、地域住民に対して質の高い看護サービスを提供するスペシャリストです。認定看護管理者は、高いマネジメント能力があり看護現場における管理者であることを示します。認定看護責任者の試験を受けるには、以下の要件を満たすことが必要です。
- 看護師免許を取得していること
- 合計3年以上の看護管理(看護部長相当)の経験があること
- 認定看護管理者教育課程サードレベルを修了していること
- 看護管理に関連している学問領域の収支以上の学位を取得していること
要件を満たし、書類審査と筆記試験に合格すると認定看護管理者として認定されます。資格取得後も5年ごとに更新が必要です。認定看護管理者には看護現場の管理職として、看護水準の向上や教育、離職防止のケアが求められます。質の高い看護へのニーズが高まる中、認定看護管理者への期待が高まっています。
国内で働く認定看護管理者は2022年12月25日現在5,001名です。資格取得のためには時間も費用もかかりますが、資格を取得することで昇進や昇格が期待できます。
まとめ
助産師は「生命の誕生」という予測困難な状況に対応する仕事です。昼夜問わず、いつ何が起こるかわからないため、常に緊張感があります。高度な専門性やコミュニケーションスキルが求められるため、助産師の年収は全国平均よりも高いことが多いです。
年収1,000万円を目指すには、マネジメントスキルや経営を学び、看護部長のポジションを獲得する方法があります。転職も有効な手段です。都心の病院や美容系クリニック、外資系企業、高年収企業への転職は、年収が1,000万円を超える可能性があります。助産師資格を活かした起業や副業などを行うと、柔軟な働き方が可能です。
助産師として年収1000万円を実現するには、キャリアアップや専門性を高める努力が欠かせません。年収1000万円は簡単ではありませんが、可能性がないわけでもありません。スキルと経験を積み重ね、目標を持ち続けることが成功のカギです。